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第8回シャーロック・ホームズ読書会フォローアップ

2018 年7月7日(土)に「第8回シャーロック・ホームズ読書会」を開催しました。あとで気付きましたが、この日はアーサー・コナン・ドイルの命日でした。

当初はゲストが参加予定でしたが、大雨による影響で列車が運行を停止したりしたため、急遽参加が見送りとなりました。楽しみにしていた参加者の皆様にはご迷惑をお掛けしました。改めて次回読書会での参加を実現できればと考えています。

さて、読書会の会場は東別院会館で、5名の方に参加いただきました。

課題作品は短編集の『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』です。タイトルからすると一番最後の作品のように思えますが、次の『シャーロック・ホームズの事件簿』がラストとなります。

課題作品。左が河出書房新社の単行本、右が創元推理文庫。

トカイワイン

今回は最初に課題作品に関係する食べ物として、トカイワインをお持ちしました。といっても、お酒ではなく、トカイワインから作られたビネガーです。

トカイワインの本場ハンガリーのメーカー Tokaji Borecet(トカイ ボル・エセット)から販売されているビネガーです。



参考:
世界唯一の “貴腐ワインビネガー”が日本初輸入! | NewsWalker
https://news.walkerplus.com/article/109940/

「最後の挨拶」でホームズ扮するアルタモントがトカイワイン好きという設定になっています。トカイワインは日本ではあまり手に入りませんし、参加者の方にも飲まれたことがある方はいらっしゃいませんでした。私は実はハンガリーに旅行した際に飲んでみましたが、甘くて濃厚でとてもおいしいワインです。

トカイワインのビネガーはアイスクリームに掛けるとおいしいということで、バニラアイスに掛けて実際に食べてみました。うーん、お酒同様の甘い味を想像していたのに、このビネガーはただの酢という感じでした・・・。

ハンドブック、プチセッション

シャーロック・ホームズ読書会では、毎回読書会の参考になるような資料を配付し、それを収めたファイルを「ハンドブック」と呼んでいます。

ハンドブックの表紙は毎回お配りし、「着せ替え」ができるようになっています。今回の表紙画像は「瀕死の探偵」の挿絵です。パジャマ姿のホームズがちょっと愉快ですし、パジャマも現代の我々が着ているのと同じようなパジャマなのも面白いです。

資料の一つ目は、パイプについて言及されているホームズ作品のリストです。60 作品中 41 作品でパイプについて言及されており、「ホームズといえばパイプ」と言われるのも納得です。

また前回読書会でベイカー街 221B の場所はどこかという問題で諸説があることが話題に上がりました。そこで、221B の場所について、何冊かの書籍からの抜粋をコピーしてお配りしました。

小ネタとしてフールスキャップについて触れました。「赤い輪」にフールスキャップ版の紙を持っているホームズの挿絵が載っています(創元推理文庫 p117)。フールスキャップは 43x34cm の大きさという情報があったので、この挿絵は妙に小さい気がします。ということで、実際に新聞紙でその大きさの紙を切り抜いてみたら、やはり挿絵の紙は小さすぎます! しかし、単純に紙を半分に折っているだけじゃないかと想像したりもしました。

フールスキャップサイズの新聞。9.7 インチの iPad と比較したところ。

2つ目の小ネタがハニーデュータバコについてです。「ボール箱」でハニーデュータバコの箱が使われたと書かれています(創元推理文庫 p79)。実際にパイプタバコ用のハニーデュータバコを買ってみたのでお持ちしました。

パイプタバコ(パイプ用の葉っぱ)には香りが付いた着香系と香りが付いていない非着香系に分かれています。着香系のタバコではバニラやチョコレート、お酒などの香りが付いています。お持ちしたハニーデュータバコはバニラの香りに加えてハチミツが含まれており、濃厚な香りがしていました。参加者の皆さんにも匂っていただきました。

読書会

そして読書会です。8冊目となるホームズ物語で、正直過去作と似たような作品が多いものの、それでも参加者の皆さんからは新しい発見があったようでした。以下は一部の感想です。

・自分より頭の悪い人に我慢がならないホームズが面白い。
・「悪魔の足」での危険な実験が一歩間違えたら死んでいた。
・物語の規模が大きい作品がある。
・「ボール箱」は実際は不倫が起きたかどうかが曖昧。
・ホームズの兄マイクロフトが出てきて楽しめた。
・「ブルース=パーティントン設計書」の鍵の扱いがおかしい。
・「瀕死の探偵」のホームズの仮病はバレバレ。
・「瀕死の探偵」ではホームズとワトスンの信頼関係がよく分かる。二人の人柄がよく分かる。
・「悪魔の足」でホームズが犯人を見逃しているのが興味深い。
・ホームズ物語はミステリーとして楽しむよりも、普通の物語として楽しめる。

ジェレミー・ブレットやベネディクト・カンバーバッチのドラマや、映画版との比較もありました。

また、参加者の方から関連書籍として、コミックの『憂国のモリアーティ』シリーズ(竹内 良輔;三好 輝、集英社)や『青いガーネットの秘密』(奥山 康子、誠文堂新光社、2007)をお持ちいただきました。コミックで読むホームズも面白そうですし、青いガーネットの宝石を実際に探求している人がいるのも驚きでした。

読書会後は「ビア&レストラン シャーロック・ホームズ」というホームズをモチーフにしたお店でランチをいただきました。お店の内装が凝っていたり、ホームズ関連のグッズが集めてあったり、なかなか素敵なところでした。ホームズ作品だけでなく、ミステリー一般、最近のテレビドラマなどについて話が広がりました。

新サイト

名古屋シャーロック・ホームズ研究会は次回の読書会で一旦終了となります。今後はシャーロック・ホームズ専門の情報発信サイトを運営していくことにしました。そのプロトタイプとなるサイトができあがりましたので紹介します。

The Flying Holmesian – さまよえるホームジアン
https://theflyingholmesian.com/

サイト名およびURLを以下に変更しました。(2018-07-15)

Sherlock Holmes Topia – シャーロック・ホームズ・トピア
https://sh-topia.com/

このページはまとめサイトでもありブログでもあります。各種 SNS も活用します。

また短編だけに絞った読書会をしてみてはという意見があったので、ホームズ物語を2話ずつ読んでいく読書会も開催します。

次回予告

次回は8月4日(土)午前に、今池ガスビルで行います。短編集の『シャーロック・ホームズの事件簿』が課題作品です。シャーロック・ホームズ読書会もこれで最後となります。“涙の最終回”もぜひご参加ください!

家族に手編みで作ってもらったエッグカバーをお配りしました。ディアストーカー型です。

実際にエッグカバーを使っているところ。