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第1回シャーロック・ホームズ読書会フォローアップ

主催者は長年シャーロック・ホームズ好きを自称していますが、東京あたりだとホームズ関連のイベントがあるのに、名古屋に住んでいるとなかなかそういうイベントに参加できません。「それなら自分で会を主催しよう」と思い立ちました。1週間ほど前にドラマ『シャーロック』の鑑賞会を開催しましたが、やはり原作の読書会は外せないだろう、ということで読書会を開くことにしました。

「名古屋シャーロック・ホームズ研究会」と名付けていますが、ホームズオタクが集まった閉鎖的な会ではなく、例えばドラマを観てホームズに興味を持った方でも参加しやすい会を目指しています。一方で、ホームズやミステリー、イギリス文化に詳しい方にはぜひ知識を共有していただき、会のスタンダードも上げていきたいと考えています。


2017 年 11 月 20 日に実施しました「第1回シャーロック・ホームズ読書会」は 10 人の方に参加いただきました。課題本は『シャーロック・ホームズの冒険』です。



主催者が先月イギリス旅行へ行き、ロンドンのシャーロック・ホームズ博物館でお土産を買ってきました。参加いただいた方には受付で、博物館で買ったホームズの缶バッジをお渡ししました。1)

課題作品の『シャーロック・ホームズの冒険』はホームズ作品としては3作目の小説。本来ならば最初の小説である『緋色の研究』から読みはじめた方が分かりやすいのかもしれません。しかし、『緋色の研究』は長編小説なので初心者にはハードルが上がってしまうかもしれないので、短編集である『シャーロック・ホームズの冒険』を課題本としました。それでも 500 ページを超える小説なので、読書会の参加条件を半分まで(「くちびるのねじれた男」まで)としました。それでも約半数が最後まで読了していました。

今回はマイベスト短編集の投票会も行いました。世界中のホームズの集まりではマイベストを発表し合うのが定番の遊びとなっています。さらに、投票数が多い上位3位を当てるゲームもしました2)。結果発表は読書会の最後で発表。しかし・・・やはり 10 人程度で上位3位を当てるのには母数が少なすぎました。投票数の多い作品上位4位までが同数でした。

参加者でのベスト作品投票結果
・ボヘミアの醜聞(2票)
・赤毛組合(2票)
・くちびるのねじれた男(2票)
・まだらの紐(2票)
・ボスコム谷の惨劇(1票)
・五つのオレンジの種(1票)

読書会は2グループに分かれて行いました3)。グループ内にはホームズに詳しい方もいらっしゃったので、疑問も解決しやすかったようですし、作品の全体像などが分かってより世界観が伝わりやすかったのではないかと思います。

読書会は1時間ほどでした。ホームズ作品をすべて読んでいるという方は少数派でしたが、ホームズは小説、ドラマ、映画など、数多くのパスティーシュ、オマージュ、パロディ作品があります。何らかの形でホームズに触れたこと方が大多数でした。参加者の中には、日本シャーロック・ホームズ・クラブの元会員の方や、課題本は原書で読んだという方までいらっしゃいました。ホームズを通じて普段の生活ならあり得ない出会いや刺激があったのは、参加者の皆さんにとってきっと何らかの価値を見いだせていただけたのではないかと思います。

マイベスト投票会でのランキング上位3作品をを当てた方にはプレゼントを用意していましたが、前述の通りそのゲームがうまく機能しなかったので、ほしい方にプレゼントをお渡ししました。プレゼントは次回課題本の『緋色の研究』です。

次回は 2017 年1月6日に第2回読書会を予定しています。課題本の『緋色の研究』は、ホームズとワトソンの出会いから始まっているので、きっと面白いはずです。ご興味ある方はぜひご参加ください。


配付資料

配付資料は以下からダウンロードできます。読書会で事件発生年やホームズの年齢がどれぐらいか知りたいという意見があったので、次回の読書会では年表も資料として付けようかなと考えています。

アンケート結果

アンケートを実施しました。ご協力ありがとうございました。その結果をご紹介します。

読んだ文庫(ホームズ作品はいろいろな出版社から発売されています。)
・創元推理文庫(7名)
・新潮文庫(2名)
・原書(1名)

紙の本か、電子書籍か
・紙の本(8名)
・電子書籍(2名)

ホームズ作品を読むのは
・初めて(3名)
・一部読んだことがある(5名)
・すべて読んでいる(2名)

観たことがある関連映像作品
・ドラマ『シャーロック』(6名)
・ドラマ『エレメンタリー』(3名)
・ロバート・ダウニー・Jr版映画(3名)
・アニメ『名探偵ホームズ』(4名)

1)
ロンドンを歩いていると建物に青いプレートが付いていることがあるが、これはここに有名人が住んでいたという印。blue plaque(ブルー・プラーク)と呼ばれる。ホームズは実在の人物ではないが、ベーカー街にはホームズの blue plaque がある。ホームズは「緋色の研究」から「這う男」事件までベーカー街に住んでいた。それを模したピンバッジ。
2)
参加者がスマートフォンで Google Form の URL アクセスし、投票。その結果が Google Spreadsheets に反映されるという仕組み。主催者の iPad でリアルタイムで集計結果とランキングが見られるようにしていた。
3)
グループ名は「赤毛組合」グループと「青いざくろ石」グループ。受付の色分けと連動して、運営上やりやすくしていました。